だから1人がすき【フリーランス日記】
お知らせ

個人事業主、いわゆるフリーランスとなって3ヶ月が過ぎた。
といっても、学生時代から同じような生活をしていたため、半年近くそのような生活を送っている。
今日、久しぶりに高校時代の友人に会った。
きっかけになったのは、彼が、私と同じような分野で働いていたから、という偶然のきっかけで飲むことになった。
彼とこんなに真面目な話をしたのは初めてだった。
しかも、こんなにためになる、そしてお互い有益な情報を交換できるなんて、
高校生の時など思ってもいなかった。
大学生になってからも、相席屋にいくか、いかないか、など、カラオケ行く、いかないか、などそんな話ばかりで、お互いの仕事の話など一切しなかった。
それが、この急展開である。
そんな時彼が言った。
「面白い書き手たちが、結局、就職やらバイトやら、結婚などの生活を考えて去っていく」んだと。
その瞬間、自分の姿が重なってしまった。
フリーになって数ヶ月、特にどこかにこれまで所属していたわけでも、塾に通ったわけでもないから、その会社からのご縁で仕事を頂けるなど、ほとんどなかった。
要するにただのニートであった。
振り返れば、自分では何とも思っていなかったその生活は、
よくよく考えれば、形に遺したら面白い、というよりも、遺しておかねばならない、などと思うようになった。
その友人が、書き手たちが去っていくと話したが、その書き手の気持が異様なまでにわかる。
彼ら、そして、私は、お金がほしいわけではない。自分の作品が世の中に出て、ブームになって、多くの人が読んで感動してくれる。
もうそれだけを夢見ている。
しかし、その夢はただの夢でしかない。
毎日、誰とも話さず、誰ともつながらず、お酒も1人でのまない。
社会と全くつながっていない感覚がおそろしくこわい。
自分がこの世の中からいなくなっても、社会など当たり前のように回り続ける。
それは頭では理解していても、実際にこの生活をしてみると、
本当に、心から、自分なんて、意味のない存在だなと思う。
別に、編集者など励ましてくれるような存在もいない。
かといって、中途半端な状態で、その作り上げているコンテンツを見せれるわけでもない。
作品が完成するまで、誰にも見せたくない。ただたんたんと作り続けることが己の使命なのだ。そう思って毎日毎日続ける。
けれど、別に死んでもいいとも思う。
1人は好きだ。
けれど、ふと友人と飲んで、面白いじゃん。っていうその一言だけで、
私は息を吹き返す。パソコンに向き合いたくなる。もう一度文章を書きたくなる。
1人の時間は好きだ。けれど、その1人の時間をいやというほど、骨の髄まで侵されることで、1人じゃない時間がこれほどまでに愛おしくなることもない。
誰かといる安心感。聞いてくれる安心感。そういう相手がいるからこそ、
私は思う。だから、1人が好き。