ファッション中毒 ~スタイルに溺れ、ブランドに操られるあなた
ファッション

ファッションは死ぬはずがない
「ファッション中毒 ~スタイルに溺れ、ブランドに操られるあなた」が刊行されたのは2004年。
現在でも、ファストファッションの是非を含め、ファッションと動物愛護、ファッションと労働者、
議論が行われているが、10年以上も前から、指摘されていたことに、新しい発見があった。
時代は変わっているとはいえ、この10年で変わったことはなんだろうか。
さて、今回の書籍は、ファッションにまつわる人間のエゴをばしばしと切っている、そんな印象を受けた。丹念に取材され、洋書らしく、物語を丁寧に書いている。
結構な分量ではあるが、「ファッション」についての捉え方は、この一冊を読めば、がらりと変化するかもしれない。
文中に出てくる、面白い考え方を1つ紹介したい。有名なトレンド予測者である、デイヴィッドウルフ氏は、ファッションが終焉を迎えるのではなく、ファッションの定義が進化するということだという。「何が贅沢に当たるのかは、社会の変化とともに変わるものです」「ファッションは常に”それをまとう社会の鏡”なのだから、決して死ぬはずがない。そんなわけで、私たちが身につけるものがファッションになるんです」
プロローグ
ファッションヴィクティムって誰のこと?
チャプター1
ファッションヴィクティム十戒
チャプター2
スピードシック-トレンドの命は5分間-
チャプター3
マックファッション<GAP帝国>は個性を殺す
チャプター4
もうファッションから逃げられない-メディアとスタイルの蜜月関係-
チャプター5
痩せてなければおしゃれじゃない-歪むボディ・イメージ-
チャプター6
服を作っているのは誰?-ファッションの負の歴史と現状-
チャプター7
服という名の凶器-スタイルは着心地に勝る-
チャプター8
やさしさもトレンド次第?-動物愛護かファッションか-
エピローグ
なぜ私は心配するのを止め、ファッションを愛するようになったのか?
ファッション中毒 概要
奴隷のようにトレンドを追い、ロゴ付きの服で広告塔と化すファッションの犠牲者たち。その哀しくも滑稽な姿を軽妙に描き、彼らの狂気を煽るメーカーの内部にメスを入れる。女性心理を操るためのトリック、歪んだボディイメージの演出、身体を蝕む化学物質の使用、テキスタイル・メーカーや下請けに強いられる苛酷な労働…人気ブランドをはじめとする業界の暗部も徹底取材。ファッションの功罪を多角的に検証し、現代消費社会の矛盾をつく注目の書。(Bookデータベースより)